VCF [電圧制御フィルター]

フィルターは、モジュラーシンセで最も一般的な音色加工モジュールです。通常は、選ばれた倍音(ハーモニクスやオーバートーン)の強さを下げて、サウンドの音色バランスを変えます。フィルターには主な特性がいくつかあります。

モードまたはタイプ: フィルターがどの範囲の倍音に作用するかを定めます。ローパスフィルター(LPF)は低い倍音をそのまま残して高い倍音を除去します。ハイパスフィルター(HPF)は高い倍音をそのまま残して低い倍音を除去します。バンドパス(BP)フィルターは、スペクトルのおおよそ中間にある倍音(より正確には、後述のセンターまたはコーナー周波数を中心とする倍音)には手を加えず、それより高い倍音と低い倍音の両方を除去します。ノッチフィルターは、中心周波数付近の倍音を減らし、それより高い倍音と低い倍音はそのまま残します。ほかにも、実質的に2つのバンドパスフィルターを1つのモジュールに収めた「ツインピーク」フィルターのような構成があります。マルチモードフィルターは、複数のモードやタイプを1つのパッケージで備えています。各モードを個別に使えるものもあれば、使いたいモードを1つ選ぶものもあります。

スロープ: フィルターが倍音のレベルをどれだけ強く下げるかを定めます。通常はポール数、またはデシベル/オクターブ(dB/oct)で表され、1ポールが6 dB/octの強さに相当します。たとえば4ポールのローパスフィルターは、カットオフ周波数(後述)以下の倍音は弱めません。カットオフより1オクターブ上の倍音は24デシベル(4ポール × 6 dB/oct)、2オクターブ上の倍音は48デシベルというように弱められていきます。すぐにおわかりのとおり、ポール数の多いフィルターほどサウンドへの効果は劇的になります。

このほか、フィルターの動作を決める一般的なパラメーターがあります。

カットオフ、センター、またはコーナー周波数: この周波数は、フィルターが働く際の支点になります。たとえばローパスフィルター(LPF)は、カットオフ周波数より下の倍音には手を加えず、この周波数より上でレベルを下げ始めます。

レゾナンス、フィードバック、リジェネレーション、または Q: 多くのフィルターは、出力信号の一部を入力に戻すことができます。このフィードバックにより、カットオフ周波数にある倍音の強さが、そのまま残されたりカットされたりするのではなく、持ち上げられます。これは部屋の中の共鳴などに似た「レゾナンスピーク」を生み出します。フィードバックを上げていくと、自らオシレートし始めるフィルターもあり、通常はカットオフ周波数のサイン波が出力されます。(自己持続するフィードバックを始動させるために、最初にフィルターへ信号を入力して「励起」する必要がある場合もあります。)レゾナンスが上がるにつれて出力全体の音量が下がる設計のフィルターもあれば、全体の信号がより大きくなるものもあります。

多くのフィルターでは、上記のパラメーターの一方または両方(場合によってはフィルタースロープなどそれ以外も)を、つまみだけでなく制御電圧でもコントロールできます。電圧制御フィルターという名前はここから来ています。

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