簡単に言うと、専用のオフセットモジュールは通常、通過する信号に対して電圧を加えたり引いたりします。たとえば、0〜+10vの信号を、-5〜+5ボルトの範囲で変化する信号にずらす、といった具合です。
なぜこれが便利なのでしょうか。モジュラーシンセは電圧で生き、電圧で呼吸しています。電圧こそが、モジュラーシンセに何をすべきかを伝える信号だからです。ところが、システム内を流れている電圧が、必要な範囲に収まっているとは限りません。たとえば、エンベロープジェネレーターの出力でVCA(電圧制御アンプ)を開閉することはよくあります。この場合、出力は0ボルト(閉じていて無音)から、+5、+8、あるいは+10ボルトといった正の電圧(アンプを「開いて」音を通す)の間で動く必要があります。一方、最近のエンベロープジェネレーターの多くには、連続してサイクルさせてLFO(低周波オシレーター)に変えられるループ機能があります。LFOの出力は、パラメーターを初期設定の上下両方向に動かせるよう、正の電圧と負の電圧の間で変化してほしい場合がよくあります。そのためには、出力を負の方向にオフセットして、完全に正の範囲から、0ボルトの両側に振れる範囲へと移動させる必要があります。
ちょっとした豆知識:フロントパネルのコントロールの多くは、実はオフセットコントロールで、モジュールのある機能に特定の電圧を送っています。わかりやすい例が、フィルターのカットオフ周波数のコントロールです。これは通常、入力されたコントロール電圧に加算される内部電圧で、最終的なカットオフが決まります。また、VCAに「バイアス」「オフセット」「イニシャルレベル」といったコントロールがあるのもよく見かけます。これはCVに正の電圧を加えるもので、CVジャックに何も接続していなくても、入力にパッチした音が通過するようになります。