マルチタップ・ディレイ

ディレイは、たとえて言えば、パイプの片方の端にオーディオを入れ、もう片方の端から出てきたものをまた取り出す仕組みが一般的です。そのパイプは通常、デジタルのメモリー領域や「バケツリレー」式(BBD)のアナログ回路といったセルで構成され、オーディオのスナップショットを保持します。セルの数が多いほど、音のスナップショットがパイプを伝わっていくので、ディレイ時間は長くなります。(デジタルディレイでは、BBDのようにサンプルが場所から場所へ受け渡されるのではなく、入力点と出力点が絶えず移動します。それでも、よいたとえになっています。)もちろん、スナップショットを受け渡したり読み出したりするサンプルレートも、ディレイ時間に影響します。

マルチタップ・ディレイは、「音のスナップショットがパイプの端まで通り抜けるのをなぜ待つ必要があるのか。途中で取り出してしまおう」と考えます。この早めに取り出す地点が「タップ」で、長いパイプの途中に水道の蛇口をいくつも追加するようなものです。これにより、1本のディレイラインから複数のディレイタイムを取り出すことができます。タップの間隔は、全体のディレイタイムの2分の1や4分の1など、音楽的な分割にすることもできます。ユーザーが調整できるようにして、複数の硬い面から返ってくるスラップバックのような「ランダムな」ディレイを作ることもできます。これは、リバーブの立ち上がりをシミュレートする方法のひとつです。

マルチタップ・ディレイラインには、各タップの出力をまとめるミキサーを内蔵したものもあります。Sputnik Four-Tap Delayのように、出力ジャックに各タップをそのまま出すだけのものもあり、ミキサーにつないだり、フィードバックのために入力に戻したりと、好きにパッチできます。

 

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